こだわりPhilosophy

こだわり

晩酌のつまみに、
「哲学」はいかがですか。

「Philosophy」、日本語でいえば「哲学」です。声高に自慢するようなものではありませんが、その一杯の向こう側にある物語も、焼酎とともに味わっていただけますと幸いです。

手づくりへの
こだわり

手づくりへのこだわり

人の手でできることは、
人の手で。

一般的に日本酒の酒蔵は、お酒の品質を決定づける「麹」を手で仕込みます。麹から生まれるもろみの味わいが、ダイレクトに味に反映されるからです。一方焼酎の場合、麹から手づくりする蔵はそれほど多くはありません。なぜなら、手で仕込める量は200キロが限界。大量生産には向かないから。また、最終的に蒸留するので、ある意味ごまかしが利くという側面もあるのかもしれません。

私たちの考えは真逆です。麹も手仕込みですし、徹底した温度管理をはじめ、人の手でできるところは極力人の手で行っています。麹の仕込みや蒸留などの全工程で、もろみの良さを全部引き出したいんです。芋焼酎の蒸留方法を、原料由来の成分が多く抽出される常圧蒸留にこだわるのもそういう理由です。

のっぺらぼうな焼酎は
つくりたくない。

麹も生き物ですから、製麹中に温度が上がりすぎると死んでしまう。上限は42度です。ところが、麹同士が反応して自然に温度を上げてしまうため、四六時中定期的にかき混ぜなくてはなりません。温度管理を自動送風の機械に任せることも可能で、どうしてもお米が乾いて品質が下がってしまう。それでは、原料の特徴を最大限引き出すことはできません。また、最終工程の油分のろ過作業も私たちは手でおこないます。機械で全部すくってしまうと全く雑味のない、ただ飲みやすいだけの焼酎になってしまうから。良質な油分を適度に残すことが、独自の味わいにつながるんです。

農業へのこだわり

農業へのこだわり

私たちの焼酎づくりは、
農業からはじまります。

「農家さんに対するリスペクトを持とう」。原料の自社生産をスタートした背景には、農家に対する強い思いがありました。天気や自然という、どうにもならない不可抗力を相手にしながら、いつもこれだけ良い芋やお米を届けてくださる。その大変さ、ありがたさは自分たちで苦労を経験してみないと、心から理解することはできなかったと思います。

現在生産しているのは、麹米や焼酎の原料となる芋のほか、KANPAI AMAKUSAで卸す玉ねぎや大根などですが、耕作放棄地問題の解決や従業員の雇用の安定のためにも、今後さらに田畑を拡大を試験的に半場しています。

焼酎の専門家だからつくれる、
最高の米と芋を。

私たちの農業は、目的が極めて明確。池の露、天草といった焼酎の原料を作るためです。品質の良い原料ができなければ、後でどれだけ頑張っても美味しい焼酎はつくれない。そのことを身に染みてわかっているからこそ、根気よく丁寧に畑や田んぼと向き合えるんです。長年焼酎をつくってきた中で、もろみの仕込み方や蒸留についてはベストな手法が見えてきました。

これからの天草酒造の伸びしろは、農業にある。もっと洗いやすいお米、バランスよく吸水させられるお米を、どうつくっていくか。良い焼酎をつくるために良い原料をつくる。私たちの挑戦は次の100年も続きます。